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算数・数学はこうして得意にする!|算数・数学の5つの力

 よく「算数と数学は違う!」という方がいらっしゃいます。

 確かに、算数よりも数学の方がルールが厳しく、内容も豊富で高度な思考力が必要とされます。

 ですが、こと大学受験までのレベルで考えれば、算数も数学も、ベースとして必要な力は共通なのです。ここでは、算数と数学の違いを分けて考えるよりも、算数と数学の共通点に目を向け、学力向上に結びつけるための効率的な考え方を紹介していきましょう!

 なおこのページの内容は福嶋淳史著『算数のケアレスミスが驚くほどなくなる本』に基づいています。より詳しい内容はそちらをご一読下さい。



 ▼  基礎となる5つの力
careless

数学力の分類としては、たとえば「日本数学検定協会」が7つに分類したものがあります(「計算技能」・「作図技能」・「表現技能」・「測定技能」・「整理技能」・「統計技能」・「証明技能」)。

しかし、これらは素人にはわかりづらく、それぞれの力をどのように身につければよいかがハッキリしません。そこで私は、拙著『算数のケアレスミスが驚くほどなくなる本』のなかで、算数・数学の問題を解き正答に至るまでに欠かせない力を5つに分類しました。

私が独自に考え「よわいむし」(このホームページのドメイン名でもあります)と呼んでいるこの5つの力について、早速ご紹介しましょう。

よみとる力
問題文や図から必要な情報だけをピックアップして整理する力と、与えられている問題の意味を取り出す力。いわば「読解力」
わりだす力
その問題を解くのに必要な公式・定理などを頭の中から検索する力。いわば「分析力」
いいかえる力
文章を言い換えて式・表・グラフなどに変換、単純化する力。いわば「翻訳力」
むすびつける力
割り出した知識や過去に経験した事柄と、目の前に与えられた問題とを結びつけて考える「思考力」
しめくくる力
求められているものにしっかり答えるための「計算力」と「注意力」

これらが、算数・数学で正答に至るまでに必要になる基礎力のすべてです。

ですから、これら5つの力をバランスよく身につけさえすれば、間違いなく算数・数学は得意になるのです。

他にも数学力は色々な分類のしかたがありますが、たとえば「空間認識能力」は3次元空間を2次元平面に単純化する力ですから「いいかえる力」に含まれ、また証明問題などで必要になる「論証力」は正に「むすびつける力」に当てはまります。

それでは、これらの力がどのように用いられるのかについて具体的な問題で考えてみましょう。

 ▼  よみとる力

それでは「よみとる力」の例を、小学生でもわかる問題で解説します。

文章から情報をピックアップする
ある姉妹が遊園地に行ったあとに使ったお金を計算したところ、姉が1日に使ったお金は妹が1日に使ったお金の1.5倍でした。そして2人の使ったお金の金額の差は2000円でした。このとき妹は1日でいくら使いましたか。
ある姉妹が遊園地に行ったあとに使ったお金を計算したところ、が1日に使ったお金は妹が1日に使ったお金の1.5倍でした。そして2人の使ったお金の金額の差は2000円でした。このとき妹は1日でいくら使いましたか。

このような問題においては、問題を解くうえであまり重要でない部分を飛ばして、必要なところだけ読み進めることが必要になります。この問題では赤字のところだけ読めば問題を解くことができますね。

 「姉は妹の1・5倍で2人の差は2000円。妹はいくら?」

このように余計な部分を飛ばして読むことで、意味がスッと頭の中に入りますよね。問題を解く上で関係のない語句を省く作業をする、ということです。

これが《よみとる力》の1つ目です(なおこの問題の答えは4000円です)。

そして《よみとる力》の2つ目は、与えられた図・表・グラフなどから情報を抽出する力です。次の問題をご覧ください。

グラフから情報を「よみとる」

ろうそくは、時間がたつにつれて短くなっていきます。それを表したグラフは(イ)のみですね。これはもっともカンタンな例ですが、小学生ですと意外と間違ったりします。

こんなのはどうでしょう。

ベン図から情報を「よみとる」
3つの○は、それぞれ同じ性質を持つものを集めたものです。その性質とは?
図で考える

もうおわかりですね?・・・では答えです。

 上の○は「赤いもの」。

 右の○は「すっぱいもの」。

 左の○は「丸いもの」ですね。

このような判断も「よみとる力」です。

このように「よみとり」には、「グラフ」(1次関数)や「図」(ベン図、相関表など)について、ある程度の知識が不可欠です。これらはそのほとんどを算数・数学で学習します。

しかし実際にグラフ・図・表などが活用されている場面について考えると算数・数学に限らず他教科の学習でも極めて重要であることがわかります。「よみとる力」はまさに教科横断的な力なのです。

※ なお図解思考についての詳しい情報は拙著『勉強のできる子は「図」で考える』(本の絵をクリック)をごらんください。

 ▼  わりだす力

「わりだす力」は、その問題を解くのに必要な知識(定理・公式など)を頭のなかの引き出しから検索する力(=分析力)です。しかし「知識のデータベース」がなければ引き出すこともできませんから、これはある意味「知識力」とも言えます。

次の図をご覧ください。この問題では、平行四辺形の面積を求める公式を思い出して、それを適用することが必要です。

どこまでを「わりだす」か

平行四辺形の面積公式は「底辺×高さ」ですね。しかしこれが割り出せただけでは不十分で、さらに「高さ」の定義を「わりだす」必要があります。

ふつう子供たちは「底辺」というと一番下に平らにひかれている線だと認識しています。ですからその後、「高さ」が10なのか14なのかと考えたときに、底辺らしき辺の長さ16に最も近いところにある数10を選んでしまいます。

このミスは「底辺と高さはいつも直角に交わっていなければならない」または「高さとは底辺に垂直な線分である」という知識がうまく割り出せなかったことによるものです。

知っている「面積公式」を検索にかけ、その中から問題に適合するパターンを選び出す作業は、インターネット検索のフローと似ていますね。

このように考えると「わりだす力」は識別の力であるともいえます。ですから、普段から「似て非なる問題」を見分ける訓練を積み、この力を鍛える必要があるのです。

 ▼  いいかえる力

「いいかえる力」は、文章を言い換えて式・表・グラフなどに変換したり単純化したりする力。「翻訳力」ともいえます。

「いいかえる力」は大別して2つに分けられます。ひとつは「文章を数式化する力」、もうひとつは「文章を視覚化する力」です。

数式化と視覚化

たとえば上のように「原価」「定価」といった言葉の知識を用いて数式をつくることが数式への「いいかえ」です。また、速さの問題などではグラフにすることで問題が簡単に解けるようになります。これは視覚化であり図への「いいかえ」ですね。

次の例は一見とても簡単な1本の式にすぎませんが、実は「いいかえる力」を必要とする例です。

等式の「いいかえ」

この問題の式は、かけ算した結果が等しいことを表しています。ここでの「=」は静的なイコール、すなわち「つりあい」を表しています(5+3=8という場合の「=」は計算結果を表す動的なイコール、A+3=8という方程式の「=」は静的なイコールです)。

「1個A円の品物5個と、1個B円の品物2個の値段が等しい」「たてAcm,横5cmの長方形の面積と、たて2cm,横Bcmの長方形の面積が等しい」などなど、様々な「いいかえ」ができますね。

「いいかえる力」を身につけるには、文章を読んだ後にすぐ線分図やグラフ、表などを書くというトレーニングを積むことが必要です。

 ▼  むすびつける力

「むすびつける力」は、割り出したいくつかの抽象的な知識を結びつけて、具体的な問題を解く力です。いわゆる「思考力」ですね。

この《むすびつけ》には2つの意味があります。ひとつは、論理的な《むすびつけ》です。例をあげましょう。

「よく寝る子は算数の成績が高い」

この文章の真偽はさておき、これを論理的に説明するとしたら、どうなりますか? そのひとつとして、こんな例が考えられます。

「よく寝る」
→「ストレスがへる」
→「集中力が上がる」
→「算数のケアレスミスが減る」
→「算数の得点が上がる」

とまあ、こんな感じになります。これが論理的な《むすびつけ》です

論理的な《むすびつけ》の力は、ふだんからお子さんが「なぜ?」と考えることによって培われます。ありとあらゆることに「理由」を考えさせるクセをつけるのです。

理屈っぽくなるかもしれませんが、論理的思考力というものは、一生の宝になりますので、ミスを防ぐという目的だけにとどまらず、ぜひ意識させてほしいものです。中学校に入ってからの「証明問題」などでもこの《むすびつける力》は大活躍します。

もうひとつは、見かけ上は無関係に思えるような複数の知識を《むすびつける力》です。たとえば、次の問題を考えてみてください。

むすびつける力の2つめの意味とは?

 この問題は、見た目はとても簡単そうに見えますね。しかし、距離が与えられていないので、いざ解こうとすると「あれ?」となります。たいていの子は答えを「5」としてしまいます。しかしこれは大きな誤りで、正しい答えは4.8です。「往復の平均の速さ」というテーマの、中学受験でよく出る問題です。

 この理屈を理解するのはなかなか難しいので、必殺技ともいえる「面積図」を使います。これは「速さ=タテ」「時間=ヨコ」「距離=面積」として、「距離=速さ×時間」という関係を長方形の面積の関係になぞらえて表す方法です。

面積と速さを「むすびつける」

「図形の概念」と「速さの概念」を有機的に《むすびつけた》例ですね。このような力が、《むすびつける力》です。

「複数の知識を《むすびつける力》」は、問題と一見関係のない知識を関連づけて解決する力ですから、見た瞬間に解き方がわかるような問題では身につきません。この力を身につけるには、「速さ」「割合」「整数」「規則性の問題」といった、応用範囲の広い単元の学習を重点的に練習することです。他の単元との関連を理解したうえで解く問題が多いからです。これらは中学入試においては特に、重要になります。

 ▼  しめくくる力

「しめくくる力」は、求められたものにしっかり答えるための「計算力」と「注意力」です。

注意力と計算力。

「注意力」を高める方法は、第6章で後述しますのでここでは「計算力」だけ見ていきます。

計算力を高めるには、まず「ミスしにくい計算法」を採択すること。そして計算量を減らすこと。たとえば、割り算は複雑なのでこれを回避する。極論を言えば、

計算ミスを防ぐには、計算しないこと!

これがおそらく最善です。でもそれは無理な話。せめて、計算量を減らしましょう、ということです。

《いいかえる力》により文章の条件を式に表すことができたら、そこからは計算力が勝負です。解き方が正しかったのに、計算で間違えて台無しになってしまった、という経験を持つお子さんは少なくないはずですよね。

計算力には2つあります。

1つは、「計算問題のための計算をする力」です。これは言い換えると「計算テクニック」であり「工夫して計算する力」です(下のような問題です)。分配法則等を活用して、式を簡単にしてから計算する方法を知っている必要があります。

しめくくる力(工夫して計算する)

もう1つは、「整数・小数・分数の基本的な四則計算」をする計算力です。

これは文章題でも図形でも常に必要な、ベースとなる基礎的計算力です。小学校の場合、計算力は小学校2年生の終わりくらいから差がつき始めます。しかし5年生や6年生になっても小学校での算数テストの得点が極端に低いという場合、私の経験上、必ずといっていいほど小学校3~4年生の計算に穴があります。これは「ミスを防ぐ」というようなレベルではなく「計算規則を初めから知らない、わかっていない」という状態です。

この場合は、計算規則を最初から教え直してあげて、計算のトレーニングを地道に積ませるしかありません。計算力を身につけるには、計算練習を積むだけではダメです。意識して「楽に解く方法」を考える癖をつけなければなりません。日頃から「早く・楽に」を合言葉に計算に取り組みましょう。

逆にいえば、普通に解くとものすごい時間がかかってしまうけれど、工夫して解けば短時間で解けるような問題で練習することで力はつきます。

2015年夏、私は「本当の計算力」を身につけるための計算問題集を刊行しました(「本当の計算力」が身につく問題集[小学生版])。自信をもってオススメします。ぜひご活用ください。

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