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親の心構えひとつでこどもの未来が変わる | 間違いだらけの学習塾選び

本

念のため初めにお断りしておきますが、このページは、どこか特定の会社組織を批判するような目的で書いたわけではありません。ここで私が述べたことは、塾業界全体の問題として私が普段から意識していることであり、この内容が皆さまの塾選びの判断の一助となれば、との想いで書き下ろしたものです。

今、すでにお子様を塾に通わせている方。これまで通わせていたけれど、やめてしまった方。あたらしく塾を探している方。いずれにせよそのような「塾に興味があるお母さん・お父さん」にとって、このページは必読です。ぜひ最後までお読み下さい。

 ▼  「大手だから安心」という構図は大間違い

皆さんは、月にいくらまでなら、わが子のために投資できますか?3万?5万?10万でしょうか!? そしてそのような大きなお金を毎月支払い続ける「学習塾」を、どんな基準で選びますか?

「成績が向上する塾」「楽しく通える塾」「費用対効果の高い塾」――などなど様々あると思いますが、「塾の規模」についてはどのようにお考えでしょうか?

「大手だから安心だろう」「みんなが行っているからきっといい塾だ」というような曖昧な理由だけで大手塾を選んでしまう人が実は非常に多いということを、あなたは知っていますか?

「大手塾」と「個人塾」。一般に「大手企業」と聞くと良いイメージが先行します。しかし、こと学習塾というものは無形のサービスを売る商売であり、品質についての判断が非常に難しい業界です。ですから、ベールに包まれてなかなか見えてこない「大手ならではのデメリット」について知っておくことが必要なのです。

ではまず、大手学習塾のメリットは何でしょうか?

 様々なメニューがあり顧客ニーズに対応しやすい。情報量が多い。環境が整っている。教材・模試などが比較的しっかりしている。また、安全面である程度の安心感を確保できる。経理面のルールなどがしっかりしている。…などなど様々な良い点が挙がるでしょう。

一方、デメリットは何でしょうか?

 答えは、大別して3つあります。1つめが「教師の質」、2つめが「ムダが多い」という点、そして3つめが「正社員は皆、教師である前にビジネスマンである」という問題点です。――では順に見ていきましょう。
 ▼  大手学習塾の3つの弊害① ~教師の質~
雨

1つめの「教師の質」について。これは、ほとんどの大手塾がはらんでいる問題です。小規模多店舗展開で組織が大きくなると、人件費の問題から専任教師(≒正社員)を減らさざるを得ません(教室数が増えても社員数を同じだけは増やせない)。それにより学生教師を雇う割合が高くなり、全体の品質が低下します。

学習塾によっては専任教師の割合が高いところもわずかながら存在するようですが、ほとんどの大手塾はそうではありません。つまり「18歳の大学1年生が15歳の中3生を教えている」といった状況、すなわち「子どもが子どもを教えている」というのが、ほとんどの塾の実態なのです。そして多くの方がそのような塾のサービスに対して疑いもなく月に何万も支払っているわけです。

このような実態をあまりご存知ない方が、意外と多くいらっしゃいます。これはなぜかというと、多くの場合学生サイドに対して「学生であるという身分を明かさないように」と運営サイドからクギをさされているからです。


無論、すべての学生教師の指導の質が低いわけではありません。プロ顔負けのスゴ腕学生教師にも、私はこれまで何人も出会ってきました。また、かくいう私もかつては19歳から学生教師をしていたわけであり「学生だからこそ」のメリットもたくさんあることを私自身、知っています。

よく聞かれる例としては「若い先生のほうが身近なお兄さんお姉さんのような存在で、ひとりっ子の我が子には合っているのよ」とか「学習している内容やターゲットにしている学校のレベルが今の子どもに近いので対策が的確」といった声でしょうか。また「バイト学生で若くても将来を嘱望される高学歴の学生が多い業界だし、ヘタな正社員よりもいいのでは?」などという皮肉っぽい声も、一部から聞こえてきたりします。

とはいえです。次のような厳しい現実も存在することを、誰も否定できないはずです。


   学生教師中心であることの「デメリット」 

(1) 学生教師のほとんどは、「大学の授業・サークル・就活」などの自己都合優先である。学生側からすれば本職は大学生だからこれは当然の権利。しかし中には「塾教師」という仕事の責任の大きさを理解できず頻繁に代講を出したり、数か月間だけ働いて軽い気持ちで退職してしまうような学生も少なくない。

(2) 大学の学期ごとの履修申告は、多くの場合春と秋に行われるが、大学の時間割が決まるまで塾の勤務日が決められない。だから「3月に1か月だけ暫定で担当していた教師が4月から突然来られなくなる」というような、俗にいう「先生がコロコロ変わる」という現象が起こる。さらに学習塾のバイトをしたがる「学力の高い学生」ほど、大学の授業もしっかり休まず受講していたりサークル活動にもマジメに参加しているので、塾の生徒たちはあくまでも「二の次」「三の次」となってしまう。従って様々な授業関連の準備業務なども中途半端になりやすい。

(3) 学生教師はたいてい大学1年で初めて大学4年まででやめるので、始めたばかりの1年目は未熟な授業とおどおどした保護者対応、2~3年たっても、多くは週に1~3日の勤務を数年間続けただけなので、受験や教科指導に関する十分な知識や経験が、なかなか身につかない。保護者対応についても、対等な立場で親の不安を解消できるような「頼れる相談相手」になるのは難しい。そのうえ、やっと仕事を覚え1人前になったころには就職が決まって、サヨウナラ。積み重ねた経験や知識はそこでおしまいになってしまい、伝承がしっかりなされずに、また新しい「大学1年生教師」に引き継がれてしまう・・・。


いかがでしょう。ここまでお読みになり、中には「そうだったの?!」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は大手になればなるほど、このような学生教師主体の塾が多いのです(高校生指導の塾でさえ、年齢が生徒と1つか2つしか違わない教師を雇って数万円もの月謝をとっているところもあります)。

学習塾という業界は、その現場におけるマンパワーの7~8割が非正規労働者(アルバイト)で成り立っています。特に個別指導塾はそのほぼ100%が、大学生・大学院生などの非常勤教師を中心に運営されています。そうでなければ正社員の人件費だけで会社がつぶれてしまうからです。


しかし、本当にこれでいいのでしょうか!? コンビニのバイトと同じ感覚で塾教師をやっている学生に、あなたは月に何万円もかけて、大切な我が子をこれからも預け続けますか? 一生に一度の入試を託しますか?


鎌倉

実は、多くの塾の現場責任者は「こどもを育てる前に教師を育てなければならない」というある意味矛盾した状況に、常に頭を抱えているのです。経営者サイドも、あの手この手で「人件費を削減しつつも何とか学生教師のクオリティを高められないか」と研修強化等の手段を講じて努力しています。

しかし、私が考えるに、限界というものが必ずあるのです。「塾教師の道をライフワークにしよう」と思っている学生ならまだしも、副業でやっている人間にいくら研修を強化して施しても、たかがしれているのです。

またそれが仮に教師になりたいという夢をもつ学生だったにせよ、生徒たちは学校や部活が終わって疲れているのにわざわざ受講料を支払って塾に行くわけで、その学校が終わってから受ける授業の担当教師が「学校教師を目指している<教師の卵>」だったりするというのは、構図としておかしいですよね? 少し極端な表現をすれば、よく学生が教員免許取得のときに行う「2週間の教育実習」が年中行事になり、塾生たちは常に教育実習の練習台にされている、という言い方もできるわけです。


そろそろこの節をまとめましょう。ここで少し、あなたやあなたの家族の体調が悪くて、病院を探すときのことを考えてみて下さい。あなたは「大病院に行きさえすれば、的確な治療が受けられる」とお考えですか!? ほとんどの方の答えは「No」でしょう。

私は医療界のことについては素人なので断言はできませんが、大病院であればあるほど、検査などの段階で経験豊富な医師よりも新人の研修医に当たる確率が高くなるという話があります。ご自身や家族の大切な健康を守ってくれる医師ですから、できれば経験豊富で判断力も確かな、そしてコミュニケーション力の高い「優秀な医師」に診てほしいと思うはずですよね。そして「そのような医師はどこにいるのだろう?」と探してみると、意外と街の開業医に行きついたりするわけです。

これは学習塾の規模が大きくなるほど「研修中の学生教師」が大量に存在する構図と似ています。本当のプロ教師は「街の名医」同様、もしかしたら大手塾よりも独立開業した人の中にこそ、たくさんいるのかもしれません。


――ここまで、たくさんの批判的な言葉を並べましたが、間違えないでいただきたい点があります。それは、私が批判しているのは学習塾を運営する企業各社であり、学生諸君ではないということです。

なぜ学習塾の多くは、ネクタイの締め方もよくわからないような初心の学生に対しスーツを着用させ、大人のように見せかけ、学生であることを隠させるのでしょうか。確かに経験値や社会的見識に対する習熟度は低いですが、学生教師には学生教師の良さがあります。学生に「自分の身分を隠せ」などと指示するのは失礼な話だと、私は思います。

学生なら学生と標榜し、それなりの価格設定に抑えればいいだけのことなのです。既にそのようにしている塾もいくつかあります。ぜひすべての塾に、適正な費用対効果を生み出し顧客の様々なニーズに答えられるようなシステムや改革スキームを、つくってほしいものです。

 ▼  大手学習塾の3つの弊害② ~ムダが多すぎる!!~

ムダな企画、ムダな教材、ムダな機材、ムダな講習。――学習塾の世界にも、多くのムダが存在します。順に見ていくことにしましょう。

(1)「ムダな企画」

大手学習塾はM&Aの波に飲み込まれつつあります。また業務資本提携も盛んです。そうすると出てくるのが、「他社と共同の企画」です。テスト・イベント・教材開発に至るまで、共同作業でやろうとします。提携先企業との関係を良好に保つためです。しかし、個々の教室現場は、これらの企画を活用しきれていません。少なくとも「あれもこれも」になってしまっている以上、せっかくひとつひとつの企画が素晴らしく意味のあるものであっても、通塾する生徒のためになっていない以上、それらはムダに終わっているのです。

これは個人塾などではありえません。テストなど、1人の子に4種類も5種類も必要でしょうか? ムダなテスト企画が増えるほど、生徒たちが混乱している現場が目に浮かびます。また「○○ゼミ」のような企画ゼミもムダに多い。繰り返しますが、ひとつひとつは、確かにいいものなのです。でも、それを「あれもこれも全部受講させなさい」というのは、無理な話です。なぜなら、子どもたちの時間や労力には限界があるのですから。

学習塾たるもの、商品の柱である通常授業で9割方の実力をつけさせ、たまに、ヤル気が起きない子に対するイグニッション役としてちょっとした企画を行う、または同じことの繰り返しだと新鮮な刺激が必要になるので月に1回のイベントを開催する、その程度でいいのです。

(2)「ムダな教材」

教材も、ムダだらけです。中学生の1つの教科に5~6種類もの教材があったりする塾も存在します。それほど多くの教材、教師でも使いこなせません。ましてや部活が忙しい中学生などであればなおさらです。教材を作る出版社とそれを採択する学習塾は、学ぶ生徒の学習机の上や書棚の中を想像したことがあるのかと、疑問に思ってしまいます。

たしかに、いい教材もたくさんあります。しかし、これをお読みのみなさんご自身の学生時代の経験を思い浮かべてください。教材選びに成功したひとなら「この問題集を1冊仕上げたからこそ力がついた!」という<恩師>ともいえる運命の教材があったはず。そして、それ以外はあまり手をつけなかった、そういう感じだったはずです。

逆に、教材選びに失敗したひとは「あれもこれも」になってしまって、失敗したのでしょう。

出版社は生徒の個々の状況など把握していません。作って売るのが仕事ですからどんどん新しい教材を作ります。でも、それにあわせてみなさんが買ってしまったら、消化不良を起こしてしまうでしょう。無駄な教材は、お金がもったいないだけでなく、子供の頭を混乱させ、学力をストップさせることにもつながる可能性があるのです。

(3)「ムダな機材」

最近、タブレット端末やらスマホやらゲーム機やらを用いて学習させようとする教育機関は非常に増えております。確かに、それらにある一定の効果がある側面は、私も認めます。

しかし、です。勉強の基本は紙の本を読み、対面式授業でキャッチボールを行いながら生身の人間どうしがやりとりするという方法が、もっとも効果的なのです。

どうもここのところ、だれが一番早く最先端の技術を教育に導入したかがひとつの企業や私学のステータスのようになってしまっている嫌いがあります。しかし、これで本当いいいのでしょうか?

大切なのは、ハードではなく、ソフトのはずです。コンテンツの充実していないタブレット授業や、レベルの低い映像配信授業に、何の価値があるでしょうか。そこに大量の投資をしている大手企業は、方向性を間違っている可能性が否めません。

(4)「ムダな講習」

大手塾各社が行っている「○○講習」と名のつく季節の講習を行うのは、売上確保が主たる目的だということをご存じですか? たとえば夏期講習だけで通常期の3~4倍の売上が上がるのが普通。通常期だけで十分な売上を上げている塾の中には「○○講習」をやっていないところもあるのです。これに気づかず「学力向上のため」と様々な講座の申込促進に煽られ、大金を支払っている家庭は多いのが実情です。

もちろんその中には使いようによって役に立つ講座も多いでしょうが、よくよく考えてみてください。その講座、本当に必要ですか!?

「授業を受ける」というINPUTだけで学習成果は上がりません。自分の力で時間をかけて考え、手を動かし、声に出して練習する、というOUTPUTこそが学力を完成へと導くのだということを忘れないでください。

(5)「個別指導の落とし穴」

1995年ごろからメジャーになってきた「個別指導」という学習塾の指導スタイルに対する保護者・生徒の期待は、年々高まっています。なぜこれほどまでに「個別」「個別」と言われるのでしょうか? ――この理由は、2つ考えられます。

ひとつには「個々への対応こそが学力アップの一番の近道である」と信じて疑われていないこと。そしてもうひとつが、少子化で世帯当たりの子どもが減少してきたため、子ども1人にかけられる教育資金が増加していること。

この2つの理由のうち、ここでは1点目について少しお話ししてみましょう。本当に「個別」は学力向上の最後の切り札なのでしょうか。実は私は、「個別学習」は使い方を一歩間違えると効果が出ないばかりか逆効果の場合すらあると考えています。これはなぜでしょうか?

その理由は3つあります。第1に、教師・生徒とも客観的視点が欠落しやすいこと。第2に、マイペースになってしまい終わらせるべきカリキュラムを消化できなくなることがあること。第3に、自分で考える力が奪われる可能性があること。逆に、もしこれらのデメリットをすべて克服できる「個別指導」があれば最強だ、ということができるわけです。では、順に見ていきましょう。


【個別が万能ではない理由】その1

客観的視点の喪失」について。――これは個人差がありますが、子どもはふつう小学校3年生くらいから他者を意識し始め、客観的視点を持ち始めます。そして年齢を重ねるにつれて、他者の眼差しの中で自分の位置を把握し、様々な能力を比較することが多くなります。そして結果的に、少しずつ精神的成長を遂げていくのです。

このことは裏返せば「比べる相手がいない子どもは成長が遅い」ということです。個別指導の最大のデメリットは、ズバリここにあります。他者を参考にできないのです。隣に座る教師の評価だけがすべてになってしまうということなのです。ところがこの教師の視線も、目の前の生徒だけに注がれていますから、他者が見えません。つまり甘い評価になりがちだったり、必要以上に厳しく接してしまったりということが起こります。この点を克服するには、過去の生徒と比較対照することができる経験豊富な教師の客観的視点が必要です。


【個別が万能ではない理由】その2

マイペースになってしまう」点について。――授業のイニシアチブを教師が握れていないと、本来教師がペース配分をすべきなのに逆に生徒のペースにひきずられてしまうという状況が起こります。生徒に質問されたことにすべて答えるとか生徒ができるまでひたすら待つというのは一見正しい行動にも思えます。しかし、できるまで待っていた結果、その日に消化すべき内容の大半が残ったまま授業が終わってしまった、これでは困りますよね。なぜなら「目標」にはふつう、タイムリミットがあるからです。

そもそも、明確なカリキュラムや学習スケジュールを作成せずにオーダーメイドを謳っている個別学習塾はけっこうあります。

個別指導の授業料が高い理由は、レディメイドではなくオーダーメイドであるという点にあるわけですから、この「スケジュール作成」「目標設定」が口先だけで終わってしまっている塾には疑問符がつきます。

また、授業後にいわゆる「指導報告書」を書いて渡すという塾もあります。これ自体は素晴らしいことなのですが、それを授業中に書かなければならないというシステムの塾があります。つまり「報告書を書いている間は授業をしていない」ということです。ここも気をつけたいところです。


【個別が万能ではない理由】その3

時計

考える力が奪われる」という点について。――これは個別指導を行う教師側がもっとも気をつけなければならない点です。一生懸命な教師ほど、子どもの手がストップしたときに、ついつい解き方や答えを教えてしまいがちです。特に算数・数学を家庭教師のような1対1完全マンツーマン指導で行うのは大変危険です。

というのも、子どもが思考中に教師が手や口を出すタイミングには十分気をつけないと、不用意な発言が子どもの思考を途切れさせてしまい「解き切った!」という達成感を与えられずに終わってしまうことがあるからです。

さて、それでも個別の効果を信じるみなさん。どんな個別指導を選びますか? もちろん、これらの「3つのマイナス」をすべてクリアしている個別指導があれば、やるべきだということになります。さあ、行動を起こすときです!

 ▼  大手学習塾の3つの弊害③ ~社員教師は教師ではなくビジネスマン~

多くの大手塾社員は、ビジネスマンとしての<営業的仕事>を、授業そのものや教材研究などにあてる<教務>と両立するよう指示されています。つまり、教室経営をしながら、授業や生徒対応をはじめ受験に向けた進路指導まで、すべてをこなさなければならないのです。

会社員でありしかも教師でもあるという点で普通のビジネスマンと大きく異なる塾教師という職業では、この両立ができないと生き残れません。もっとも、これは当然といえば当然です。生徒がいなければ仕事になりませんから営業は必須であり、そのうえで生徒の成績向上や志望校合格による顧客満足が満たされ口コミが広がり、塾が存続していくという構図があるからです。

とはいえ、実際にこの「経営と教育の両立」という両輪をうまくコントロールできている正社員は少なく、ほとんどの場合、どちらかに偏っていきます。しかし、出世して会社の幹部になっていくのは上にいけばいくほど、教育よりも経営を選んだ人たちなのです。この点は、塾が塾でなくなっていくという意味で大きな問題であることは間違いありません。

「それなら分業してしまえばいいじゃないか」という声も聞こえてきそうです。しかし、これらを単純に分業で行うことにも大きなマイナスがあります。現場でいい指導、いい授業ができない人間が経営側にたつと、塾は破綻してしまうからです。また逆に、授業はうまいが経営センスがない人間だけで塾をやろうとしても、これまたうまくいきません。つまり、真によい塾を作り上げるには、どうしてもこの教育と経営を、両立しなければならないのです。

しかし、そううまくはいかないのが現場というものです。大手塾はたくさんあれど、多くの塾の現場では、23時をすぎても、まだ教室の明かりが煌々と灯っています。とにかく、忙しすぎるのです。

ここで、私の友人で、とある大手塾に勤務していた教室長Yさんから聞いた1日の流れをご紹介しましょう。

家を朝9:00に出る。11:00から都心のレンタル会議室で14:00まで長い会議。昼食休憩時間はナシ。電車内でつり革につかまりつつパンをかじりながら1時間かけて自分の教室に戻る。

15:00から自分の教室で営業電話や保護者面談や生徒の質問対応。そうこうしているうちに生徒が集まってくる。17:00から21:30まで授業。その後、欠席した生徒の家に電話をかけたり、アルバイト教師を集めてミーティングをしたりしているうちに気づくともう23:00。その頃、ようやく上司から与えられた自分の仕事をできる時間がやってくる。24:00に退社。24時間営業の牛丼屋で遅い夜食を食べて帰る・・・。Yさんはほぼ1年中、こんな感じで何年も勤務しているそうです。

場合によっては、休みの日も返上し、若手教師たちを相手に「模擬授業研修」をしなければならないこともよくある。また、帰宅後も、次の日の会議資料や保護者セミナー資料を徹夜で作るなんてザラ。・・・Yさんはストレスと疲労でいつもげっそりしていました。

なぜここまで忙しいか。その理由は、人手不足です。「大手塾の弊害①②」にて先述したように、たいていの塾では人件費を切り詰めてギリギリの人数で教室を回しています。コストカットで利益確保しようとしているのです。その結果、バイト教師が増え、品質は下がるが、そこは目をつぶる。こんな悪循環です。

では、この「人手不足」の原因は、何か。それは、突き詰めると、教室の作りすぎにあります。1つの教室をつくれば、大手企業ならだいたい利益が出せます。少しでも利益が出せるとなれば、マンパワーを無視して出店しようとするのが大手のやり方。ここに大きな問題が生じてきます。

企業のやりたいこと、かなえたいこと、達成したい目標、それらを現場業務のレベルに落として考えたとき、マンパワーとつりあっていないという問題、そしてその結果として塾が塾でなくなっていくという問題です。

教室が増えすぎて、教師が教師である前にビジネスマンにならなければ、企業がつぶれてしまう。だから学習塾の上層部の中には、生徒の成績が向上しているかとか、合格が達成できたかなどということに、あまり興味がない人も多いのです。

会社の中で真っ先に評価されるのは、いつも教室の利益拡大を最重要視し、それを達成できる社員です。無論、それはそれで必要なことでしょう。しかし、成績向上や志望校合格が、オマケのようになっていたとしたらどうでしょうか? 医者が、患者の病気のことではなくいかに稼ぐかばかりを考えているとしたら、あなたはどう思いますか? それと同じことが起こっている学習塾も、少なくないのです。

多くの学習塾でこのように「教育と経営」のバランスが崩れ、両立したいと思っても、簡単にはうまくいかないという現状があります。「生徒に勉強の楽しさを教えたい!」と思って入社した夢を持った若者が、実際の仕事内容との乖離に気づいて退職していく数は年々増えていると聞きます。

それもそのはず。学習塾業界の過激なM&Aと競争の中にあって、経営者サイドの視線が、社員の幸福や顧客の幸福とは違うところに向き初めているのです。だからこそ、顧客満足を高められる人間こそが正当な評価を得られるように、学習塾は変わらなければなりません。今こそこの問題を直視し、塾を塾として再生しなければならないと、私は強く感じているのです。

 ▼  自立学習スタイルの塾は危ない

この項目の内容は私のブログ記事(2014/12/14)をご覧ください。