日能研・SAPIX・早稲アカ(四谷大塚)・栄光ゼミナールの教材比較。
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(内容が古い部分もありますが当時の内容そのままで掲載しています)
2019年9月15日 22:22
日能研・SAPIX・早稲アカ(四谷大塚)・栄光ゼミナールの教材比較。
ごきげんよう。
だんだん秋らしくなってきました。
受験生諸君にとってはいよいよ正念場というところですね。
私も小論文、推薦の志願理由書、過去問の添削などで忙しい日々です。

さて私は数年前に22年勤めた大手塾(栄光ゼミナール)から独立したわけですが、日々大手塾に通う小学生の中学受験算数(理科)をフォローアップしています。
そこで中学受験大手各社のテキスト比較を少々まとめてみました(算数のみです)。
まずは各塾を簡単にご紹介。
・日能研(N): 老舗。私自身10~12歳まで通っていた。席順がテストの点数で決まる昔ながらのシステムはまだ続いているらしい。最近少し合格実績は下火か。
・SAPIX(S): いわずと知れたトップ校対策の専門塾。多いところ(たまプラ・成城など)だと1学年10~15クラスくらいありクラスわけも頻繁。上位層以外はお客様になる(伸びない)ので行かない方が無難。
・栄光ゼミナール(E): 私が22年間勤めた塾。「自分のトップ校へいこう」がスローガンの少人数グループ指導。中学受験は中堅下位層がメイン。面倒見はよい。
・早稲田アカデミー(W): 栄光などより後発だが急成長した塾。芦田愛菜のCMでおなじみ。高校受験がメインだったが最近では中学入試も頑張っている。ねじり鉢巻き系。合宿もキャンプファイヤーを囲む昔ながらのスタイル。
この4つの塾の頭文字が4方位を表しているのは偶然だろうか。
・・・さて。
【日能研】 本科テキスト、栄冠への道など
◎よいところ:
本科テキストは、ときに高校数学をベースとする内容まで踏み込んだ思考力増強をメインとした構成。
かなり優秀な制作者が携わっているのだと思う。
また解説は比較的詳しいので親が教えたりするのには助かる。
系列出版社が出している「メモリーチェック」「ベストチェック」シリーズは良書(ベストセラー)。
△イマイチなところ:
本科テキストも栄冠への道も、見た目以上にスモールステップを踏んでいないので、中堅下位層にはあまり向かないと思う。
たとえば過不足算でいきなり「余りと不足」から始まる(SAPIXなどは「余りのみ」「不足のみ」から「余りと不足」へと順序良く移行するのでわかりやすい)。
また「○○の情報を視覚化して…」などの無駄なリード文が長くてスッキリ感がない。
さらにはオプション活用・理解などが発展内容とは限らず、親が問題の難易度を把握しづらいため、復習の際などに問題を選択しにくい。
【SAPIX】 プリント教材「デイリーサピックス」「デイリーサポート」など
◎よいところ:
難関校突破に必要な内容の網羅性はさすがに高い。
構成も、裏面に全く同じ問題が載っていたりと、反復学習がしやすいものとなっている。
またSAPIXの教材は問題のパターン化のしかた、また分類がよい。スモールステップをしっかり踏んでいる割に基礎~応用~発展までもれなく扱っているのでつまずきを発見しやすい。
△イマイチなところ:
難点が2つ。
プリントをホチキスどめした教材が毎週バラバラと配られるのでとにかく整理が大変。親がまめな人じゃないと管理不能となるにたやすい。
また解説がほとんどないに等しいので指導者がいないと解説だけでは理解できない。行間を読める教師レベルじゃないと解説は役に立たない。
【栄光】 中学受験新演習、計算日記など
◎よいところ:
スモールステップをしっかり踏んでいて、中堅下位層にも大変優しい構成。
例題のあとの類題が単なる数字変えになっており、新しく学んだ知識や概念のアウトプットは無理なくできる。
トレーニング→基本→練習→チャレンジ、と4STEPになっているので、教師にとっても宿題が出しやすいし、生徒ごとのレベルにあわせた問題選択がしやすく家庭での復習もしやすい。
△イマイチなところ:
「チャレンジ」レベルの問題が非常に少ないので難関校には対応しにくい。対応するレベルは、合不合判定の偏差値55~65程度の学校までだろう。(※それ以上の最難関校に対応する教材もあるようですが)
また解説が詳しくないので自学には向かない(SAPIXよりは多いが)。
この記事に挙げた大手4社のなかでは最もカリキュラム進度が遅い(これは生徒によっては良いところにもなり、悪いところにもなるが)。
他社が5年いっぱいですべての基礎内容を終わらせるのに対し、新演習は小6の6月いっぱいまでかかる。
小6夏期以降のまとめ教材「コンプリーション」は改訂されて問題数が減り、イマイチな内容となった(短期間で完成はしやすいが)。
【早稲アカ】 予習シリーズ、難関校への算数、バックアップなど
◎よいところ:
(予習シリーズ)
四谷大塚系の塾でよく使われている「予習シリーズ」。
もともと四谷大塚はテスト塾のため、教材は自分で「予習」をして週末のテストに備えるためのものだった。
よって紙質もよくカラフルでヤル気にはなる(かもしれない)。
(バックアップ)
6年生用まとめ教材。
早稲アカの教材の中ではこれが一番優れているのでは。
3回転くらいすれば大体の基礎力はつく。
(その他)
昔あった(今はないらしいが)「Wベーシック」という教材は反復のためのトレーニング用としては、なかなかよかった(これも栄光のオンデマンドか?)。
△イマイチなところ:
(予習シリーズ)
私も栄光で最初の10年間ほど(1990年代)はこの「予習シリーズ」を使っていたが、徐々に内容が縮小傾向になり、むりやり数ページの中に1つの単元の問題を詰め込んでいる感じ。
また1回の中での問題と問題のつながりがよくわからないバラバラな構成。スモールステップもなく、例題と類題がリンクしていないのでいきなりつまずくことがある。
昔はバイブルと呼ばれた「4科のまとめ」もまとまりすぎで、最近はあまり役立たない印象。
個人的に、正直いって予習シリーズは嫌いです。
(その他教材)
夏期講習などの講習用教材は栄光の新演習の表紙巻き替え版だったが今はどうだろう。
早稲アカ・四谷大塚は教材の種類が多すぎて、教師陣も使いこなせていない印象が否めない。買わせるだけ買わせて使わないなんて、もったいない。
・・・以上、勝手にレビューさせていただきました。
しかし結局のところ、教材は「適材適所」かどうかが重要なのであり、書籍と一緒で「万人にあう」というものはないので、我が子にふさわしいものかどうかを考えて、塾を選んだほうがよいでしょう。
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